こんにちは、すずごんです。
今回は、『ホームレス消滅』という本を紹介します。
著者は、「村田らむ」さん。ホームレスの方を20年間取材し続けた方です。説得力がありますね。
ホームレスって聞くと、昔、大阪に遊びに行ったときに、よく見かけました。そのとき、ボクは(仕事や人間関係に疲れ果てていたこともあり)「こういう自由な生活もいいな。」と思いました。
では、実際のホームレスの方って、どんな人が多くて、どんな生活をしているのか!?この本を読んで学んだことを紹介したいと思います。
ホームレスの人について、新しく知ったこと
- 「日本で物乞いをすること、またはさせること」「生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたもの」は軽犯罪法に抵触する
ホームレスの人に関する法律があるんですね。
- 働いているホームレスが多い。
アルミ缶を集めて業者に渡すという仕事をしている人が多いようです。ボクもみかけたことがあります。しかし、なかなかお金にならず、1日集めて3000円ほど。あとは日雇いの仕事に行く人も多いようです。
- IQが70未満の人が34%
IQ70以下だと、知的障がいにあたり療育手帳が出ることが多いです。ホームレスの方は年配の方が多いイメージですが、もしかすると、当時は知的障がいの方を見つけることが難しく、適切な配慮ができなかったことも原因の一つかもしれません。
- アルコール依存症、ギャンブル中毒の人も多い
稼いだお金を、お酒やギャンブルに使ってしまい人が多いようです。
- ホームレスに炊き出しをする宗教は、ほぼキリストのみである
たしかに、日本で一番多い仏教の炊き出しは見たことがありませんね。なにか教義に違いがあるんでしょうか!?
- 炊き出しに並ぶのはホームレスばかりでなく、生活保護をうけて安アパートに暮らす人もかなりきている。
炊き出しに並んでいるからと言って、ホームレスだと決めつけてはいけないんですね。
- ホームレスの人にうち、寝場所が決まっている人は77.5%
つまり、寝場所が決まっていない人が22.5%いるということですね。今日、寝る場所が決まっていないというのは、なかなかの恐怖だと思います。
- ホームレスの人数は、西高東低である。
2007年の調査によると、ホームレスは、大阪府2171人、東京都2396人。人口の差を考えると、大阪がいかに多いかが分かります。
- ホームレスの人が住む場所が、繁華街や公園から、河川敷に変わっていっている。
昔は、アルミ缶がたくさん回収できる繁華街や、水道やトイレが確保できる公園に、たくさんホームレスの方がいました。しかし、国や地方の管理が入り、住むことが難しくなったようです。そこで、土地が広大にあり、国などが管理の難しい河川敷に移ってきているようです。
- ホームレスの人数は、減少している。
「生活保護」などが充実してきたことが、大きな要因だそうです。また、以前の東京オリンピックや都庁移転などのときに、一気に減少する傾向があるようです。「現在、ホームレスをしている人の少なくない人たちは、ホームレスでいること、ホームレスとして生きることを選んだ人たちだ」という一文が印象的でした。
- ホームレスにとっての脅威とは
自然災害などももちろんありますが、一番は、酔っ払いや、素行の悪い中学生などに襲われることだそうです。理不尽な暴力をうけたり、家を燃やされたりと、想像以上のことが行われています。
まとめ
以前、ボクが憧れたホームレスの生活の自由さも書かれていましたが、それ以上にホームレスとして生きていくことの過酷さが分かりました。この本を読んだことで、憲法でも保障されている「健康で文化的な必要最低限の生活」という一文を、あらためて考えるきっかけとなりました。
最後に、著者も言っていますが「ホームレスと言って、ひとくくりにするのは難しい」ということです。共通点はあるものの、一人一人それぞれ違う人間だということを忘れてはいけません。
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